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iOS向けSMBライブラリを実装する(その3)~NetBIOS名の解決

Windowsで使われる、NetBIOSまわりを頑張ってみます。

やりたいことは、Windowsコンピュータ名(NETBIOS名)からIPアドレスを取得することです。

NetBIOSはとにかく不可解です。
本当に不可解なんですが、歴史的背景があるので仕方がありません。
どのくらい古いかというと1980年代くらいなので仕様書もイマイチ読みづらく、後の改変も多数あるので本当にわかりづりです。

まずNetBIOSはTCP/IPとは別物です。
現在ではプロトコル部分をNetBEUI、インターフェイス部分をNetBIOSと呼ぶようですが、元はインターフェイス(API)からプロトコルまですべてひっくるめた規格でした。

NetBEUIは現在では使われることは無くなりましたが、NetBIOSのインターフェイスだけは利用され続けているというわけです。
NetBIOSをTCP/IPで利用できるようにしたものがNetBIOS over TCP/IPです。(TCP/IPとか言いながらUDP/IPも多用します)
これ時代もWindows3.x時代のものなので何かと理解しづらいです。

さて、関係ありそうな、NetBIOS over TCP (NBT) Extensions NetBIOS over TCP (NBT) Extensions[MS-NBTE]をまず見てみると
名前解決についてはRFC1002を見るように書いてあります。

RFC1002の内容は「NetBIOS-over-TCP」となっています。
日付は March 1987・・・。
読んでみると・・・なんか意味不明・・ですががんばって読む。

とりあえずパケットのフォーマットはこう

                       1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3
    0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |         NAME_TRN_ID           | OPCODE  |   NM_FLAGS  | RCODE |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |          QDCOUNT              |           ANCOUNT             |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |          NSCOUNT              |           ARCOUNT             |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

で、名前解決のリクエストはこういう固定値を入れる

4.2.12.  NAME QUERY REQUEST

                        1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3
    0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |         NAME_TRN_ID           |0|  0x0  |0|0|1|0|0 0|B|  0x0  |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |          0x0001               |           0x0000              |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |          0x0000               |           0x0000              |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |                                                               |
   /                         QUESTION_NAME                         /
   /                                                               /
   |                                                               |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |           NB (0x0020)         |        IN (0x0001)            |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

Bはブロードキャストフラグなので、1で固定みたいです。
なのでフラグ部分は0x0110。

QUESTION_NAMEの部分はRFC 883を使ってコード化しろって書いてます! 
これがまだ何故??というやり方で頭に???浮かびっぱなしです。

とりあえずNETBIOS名は15文字です。本来は16文字でしたが、最後の1バイトを別の用途に割り当てたため15文字。
15文字に満たない場合はスペース(0x20)で埋めます。

16文字目はサフィックスで種別を表すのですが、
0x00だとワークステーション サービス
0x20だとファイル サーバー サービス
0x1bだとドメイン マスタ ブラウザ
・・・などなどを表すようですが、、
これはもともとのLAN Managerの仕様ではなくMicrosoftの拡張仕様です。
どうやら0x00はクライアント、0x20がサーバサービスを示すようなのでここでは0x20が正解だと思われます。(実際にはどちらも名前登録されていて、反応もしてくれるので良いのですが)

で、肝心のNETBIOS名の格納方法です。
最初の1バイトは0x20を指定します。0x20=長さが32byteの意味で、NETBIOS名の場合は32byte固定と書いてあるので必ず0x20を指定。

NEBIOS名+サフィックスの16byteを以下の手順で符号化して32Byteにします。
最後にNULL(0x00)くっつけるので、長さを表す先頭の0x20と合わせて34byteになります。
これがQUESTION_NAMEになります。

NETBIOS名の符号化は、
まず文字コードを4バイト単位にわけます。
空白文字(0x20)であれば0x2と0x0です。
0x0をA、0x1をB、0x2をC・・・という感じで文字を割り当てます。
0x20であれば「CA」になります。

つまりNETBIOS名が「FRED」であれば「EGFCEFEECACACACACACACACACACACACA」になります。

さて、これをUDPでブロードキャストすれば該当ホストがレスポンスを返してくれます。
iOSで1024番以下のポートをbindできるのか?とちょっと不安でしたが、やってみたら大丈夫でした。

レスポンスの内容は以下のとおり

4.2.13.  POSITIVE NAME QUERY RESPONSE

                        1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3
    0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |         NAME_TRN_ID           |1|  0x0  |1|T|1|?|0 0|0|  0x0  |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |          0x0000               |           0x0001              |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |          0x0000               |           0x0000              |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |                                                               |
   /                            RR_NAME                            /
   /                                                               /
   |                                                               |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |           NB (0x0020)         |         IN (0x0001)           |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |                              TTL                              |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
   |           RDLENGTH            |                               |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+                               |
   |                                                               |
   /                       ADDR_ENTRY ARRAY                        /
   /                                                               /
   |                                                               |
   +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

TTLより前はリクエストと同じ。
ADDR_ENTRY ARRAYにIPアドレスが入ります。
(複数ある場合は複数入ります。パケットの送信アドレスを見るか、自分のネットワークマスクと較べてどれを利用するか決めます)

実際には名前の解放パケットとかも飛んでくるようですが(それを見てキャッシュから削除する)、iOSでそれを監視し続けるのは非現実的なので無視します。

なお、IPv6の場合はLLMNR(Link-Local Multicast Name Resolution)を使う必要があります。
今回はIPv4だけでいいのでそっちはやりません。
(そのくらいの知識がある人はIPアドレスでわかるでしょうし・・・)

さて、これでコンピュータ名(NETBIOS名)を解決できるようになりました。
まぁ、なったところでどう使うかは悩ましいところなんですけどね。

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